01 / 08 GUIDE

VR歩行デバイスとは

仕組み・種類・活用分野を、業界の全体像から解説します

VR歩行デバイスは、VR空間内を自分の足で歩いて移動できるハードウェアの総称です。
従来のコントローラー操作では得られない身体的な没入感を実現し、
ゲーム・研究・訓練・リハビリなど幅広い分野で活用が広がっています。

SCROLL
02 / 08 01 OVERVIEW

VR歩行デバイスとは何か

VR歩行デバイス(英語: Omnidirectional Treadmill / ODT)とは、VRヘッドセットと組み合わせて使う歩行専用のハードウェアです。利用者が実際に足を動かすと、その動きがVR空間内の移動に反映されます。

コントローラーのスティック操作ではなく、自分の身体を使って歩く・走る・しゃがむといった動作でVR空間を探索できるため、従来のVR体験とは根本的に異なる没入感を実現します。

1990年代に大学の研究室で始まった技術が、2013年以降に商用化され、現在は世界中の研究機関・企業・アーケード施設・個人ユーザーに広がっています。

従来のVR移動が抱える3つの課題

VR酔い
01

VR酔い

コントローラーで視点が動くのに身体は静止。この感覚のズレがVR酔いを引き起こす

足を動かすことで視覚と身体感覚が一致。VR酔いを大幅に軽減

没入感の限界
02

没入感の限界

指先のスティック操作では「その場にいる」感覚が薄い。身体が動いていないことで脳が現実との差を認識してしまう

身体全体を使った移動で、脳が「本当にその場にいる」と認識する深い没入体験

移動範囲の制約
03

移動範囲の制約

ルームスケールVRは部屋の広さに制限される。壁にぶつかる危険もある

1畳のスペースで無限のVR空間を安全に歩行。物理的な制約から解放

03 / 08 02 TECHNOLOGY

VR歩行デバイスの仕組みと種類

VR歩行デバイスは技術的なアプローチによって大きく4つの方式に分類されます。
それぞれ仕組み・価格帯・歩行感覚が異なります。

主流方式 TYPE A

低摩擦プレート型

凹型の低摩擦プレート上で、専用シューズを履いて足を滑らせるように動かす受動式。モーター不要でシンプルな構造。静音性が高くメンテナンスも容易。現在市場に流通するVR歩行デバイスの大半がこの方式を採用しています。

価格帯 5万〜50万円
設置面積 約1畳
歩行感覚 慣れが必要(滑り歩行)
代表製品 KAT VR KATWALK C2+ Enhanced / C2 CORE をはじめ、ODT製品の大半がこの方式を採用
TYPE D

ジャイロセンサー方式(足踏み型)

装着型のジャイロ/フットセンサーで足の動きを直接検知する能動式。実際にその場で足を上げて踏み出す自然な歩行動作がそのままVR空間に反映されます。専用シューズ不要・学習時間ゼロ・遅延10ms以下の高精度トラッキングが特徴で、ハイエンドの業務・研究用途で採用されています。

価格帯 200万円〜
設置面積 約1畳
歩行感覚 自然な足踏み歩行(学習不要)
代表製品 KAT VR PRO WALK Mecha(業務用フラッグシップ)
TYPE B

電動ベルト型

直交する2本のベルトコンベアがユーザーの移動を打ち消す方向に動く能動式。足裏が地面を蹴る感覚に近く、最も自然な歩行感を実現できるが、大型で高価。商用化は限定的。

価格帯 数百万〜数千万円
設置面積 大型(数畳以上)
歩行感覚 最も自然に近い
TYPE C

リダイレクテッドウォーキング(RDW)

VR映像を微妙に回転させることで、狭い空間でも広い空間を歩いているように錯覚させるソフトウェア技術。ハードウェア不要だが広い部屋が必要。現在は大学の研究レベルが中心。

価格帯 追加費用なし
設置面積 最低6m x 6m程度
歩行感覚 完全に自然

現在、商用製品として流通しているのは低摩擦プレート型が大半。最新世代のハイエンド機ではジャイロセンサー方式が採用され、学習不要の自然な歩行を実現しています。

04 / 08 03 EVIDENCE

数字で見る VR歩行デバイスの効果

VR歩行デバイスの効果は、学術研究と導入実績の両面から裏付けられています。

3.75x

知識定着率

VR訓練は教室での座学と比較して3.75倍の知識定着率を実現

PwC (2022)
7.3 MET

運動強度

VR歩行デバイス上のゲームプレイは高強度運動に相当。コントローラー操作の約3.5倍

Applied Sciences (2025)
6.1 kcal

屋外歩行と同等

VR歩行デバイス上の消費カロリー(/min)は屋外歩行(5.8 kcal/min)と統計的に有意差なし

Green et al. (2024)
45+

学術論文

KAT VR製品を使用した査読付き学術論文の数。研究プラットフォームとしての信頼性

KATVR JAPAN集計
100+

国内導入機関

大学・研究機関・企業・アーケード施設など。国内最多の歩行型VR導入実績

KATVR JAPAN実績
85%

習熟率向上

繰り返しVR訓練による業務習熟率の向上。従来研修との比較

SBS東芝
06 / 08 05 WHY KAT VR

KAT VRが選ばれる理由

2013年の創業以来、歩行型VR専業メーカーとして
技術開発と導入実績を積み重ねてきたKAT VR。
日本国内ではKATVR JAPANが2018年から総代理店として展開しています。

POINT 01

業界唯一のハーネス構造

カウンターグラビティ機構を備えたハーネスシステムで、歩行・走行・しゃがみ・ジャンプまで安全に対応。ウエストリングのみの他社製品とは根本的に異なる安全設計です。

POINT 02

3層独立トラッキング

頭(HMD)・体(腰センサー)・足(光学フットセンサー)を独立して検出。前を見ながら横歩き、走りながら横の敵を狙撃、といった複雑な動作が可能です。

POINT 03

3,000本以上のゲーム+KAT VR専用コンテンツ

SteamVRのフリーロコモーション対応ゲーム3,000本以上と汎用互換。KAT Gateway経由のKAT VR専用オリジナルコンテンツも利用可能。さらにUnity / Unreal / Python対応の無償SDKで、研究や業務に合わせたオリジナルコンテンツの自作も可能です。ゲーム側にKAT VR専用対応は不要、対応タイトルは自動的に増え続けます。

POINT 04

5万円〜50万円の価格帯

エントリーモデルからフラッグシップまで。用途と予算に合わせて選べるラインナップ。補助金対応・分割払いも可能です。

07 / 08 06 FAQ

よくある質問

A
完全になくなるわけではありませんが、大幅に軽減されます。従来のコントローラー操作では、視覚は動いているのに身体は静止しているという感覚のズレがVR酔いの主因でした。VR歩行デバイスでは実際に足を動かすため、この感覚の不一致が軽減されます。学術研究(Soon et al., 2023)では、高齢者を含む35名が安全に使用できることが確認されています。
A
VR歩行デバイスの用途はゲームに限りません。学術研究では認知科学・バイオメカニクス・神経科学の実験装置として、企業では安全訓練・消防訓練のシミュレーターとして、医療分野では脳卒中後の歩行リハビリテーションの手段として活用されています。KAT VR製品を使用した査読付き学術論文は45本以上に上ります。
A
KAT VRの低摩擦プレート型デバイスの場合、設置面積は約1畳(1.2平方メートル程度)です。一般的な6畳の部屋にも十分設置できます。電動ベルト型のInfinadeckなどは数畳以上のスペースが必要ですが、商用で流通している製品の大半は低摩擦プレート型で省スペースです。
A
KAT VRはSteamVRのコントローラースティック入力をエミュレートする方式を採用しています。そのため、フリーロコモーション(自由移動)に対応しているVRゲーム3,000本以上と汎用的に互換性があります。ゲーム側にKAT VR専用の対応は必要ありません。
A
推奨年齢は14〜60歳ですが、研究用途ではそれ以外の年齢層でも使用実績があります。KATWALK miniのリハビリ研究では平均73歳の高齢者7名が安全に使用し、全員がリハビリでの継続使用を希望しました。特別支援教育では知的・発達障害のある生徒約20名の使用実績もあります。
A
ウェアラブルセンサー型のKAT locoS(47,300円)から、フルサイズの低摩擦プレート型KATWALK C2 CORE(313,500円)、ハイエンドのC2+ Enhanced(451,000円)まで。法人向けのKAT PRO WALK Mechaは概算250万円〜です。分割払いにも対応しており、法人向けには各種補助金の活用もサポートしています。
A
KAT VRはUnity / Unreal Engine対応のSDKを研究用途向けに無償提供しています。歩行速度・歩数・方向転換・身体の向きなどのデータをリアルタイムで取得・解析できます。科研費・公的研究費での購入にも対応しており、検収払い(後払い)も可能です。
A
一般的には同じカテゴリの製品を指します。正式な学術用語はODT(Omnidirectional Treadmill = 全方向トレッドミル)です。「VRトレッドミル」「VRランニングマシン」「VR歩行デバイス」はいずれも同じ種類のハードウェアを指す通称として使われています。

VR歩行デバイスの導入をお考えですか

東京・中野坂上のデモルームで、歩行型VRを体験いただけます。