VRトレッドミル
完全比較ガイド2026
VRトレッドミル(全方向トレッドミル / ODT)は、
VR空間内を「自分の足で歩いて移動する」ための歩行デバイスです。
本ガイドでは、主要メーカー4社の製品を方式・対応環境・サポート体制まで
徹底比較し、用途別の最適な選び方を解説します。
VRトレッドミルとは
VRトレッドミル(全方向トレッドミル / ODT = Omnidirectional Treadmill)とは、 VR空間内を自分の足で歩いて移動するためのハードウェアデバイスです。
通常のVR体験では、コントローラーのスティック操作やテレポートで移動しますが、 VRトレッドミルでは実際に足を動かして歩くことで移動します。 これにより、視覚と身体の感覚のずれが生じにくくなり(VR酔いの感じ方には個人差があります)、 没入感を高め、歩く動作を伴う体験ができます。
現在、VRトレッドミルはゲーム・研究・介護福祉・企業研修・アーケード施設など 幅広い分野で活用されており、国内外の大学・研究機関でも研究に用いられています。
感覚のずれが少ない
視覚と身体の動きが同期するため、感覚のずれが生じにくい設計(感じ方には個人差があります)
没入感の向上
コントローラー操作では得られない「歩いている実感」が、VR体験の質を根本から変える
運動の強さ
他社機での研究で、全方向トレッドミルでのVRゲーム中の歩行が高強度の運動に当たったと報告されています(Applied Sciences 2025)
VRトレッドミルの方式と違い
VRトレッドミルには大きく分けて4つの方式があります。それぞれの仕組み・メリット・デメリットを理解することが、最適な選択の第一歩です。
受動式スライディング
(フラットプレート型)
低摩擦の平面プレート上を、専用シューズで滑るように歩く方式。360度の方向転換が自然にできる。
メリット
- 360度自由に歩行・方向転換が可能
- 構造がシンプルで比較的安価
- メンテナンスが容易
デメリット
- 滑り歩行に慣れが必要(数分程度)
- 実際の歩行とは感覚が異なる
受動式スライディング
(凹面ボウル型)
凹んだ皿状の表面を歩き、重力で自然に中心に戻る方式。
メリット
- 重力で自然に中心復帰
- 安定感がある
デメリット
- 横移動が不自然になりやすい
- しゃがみ等の垂直動作が制限される
電動ベルト式
(アクティブ駆動)
床面のベルトが歩行と逆の向きに動き、歩行者を定位置に留める方式。価格は公表されていません。
メリット
- 床面が能動的に動き、実歩行に近い
- 実歩行に近い運動学データが取れる
デメリット
- 価格は公表されていない(メーカーへの問い合わせが必要)
- 電源・設置の条件はメーカーへの確認が必要
装着型センサー
(プラットフォーム不要)
足にセンサーを装着し、その場での足踏み動作をVR内の移動に変換する方式。省スペースで手頃だが、実際には歩いていない。
メリット
- 導入費用が手頃
- プラットフォーム不要で省スペース
- 持ち運び可能
デメリット
- 実歩行ではなくその場足踏み
- 没入感・運動効果はトレッドミル型に劣る
主要メーカー比較
世界の主要VRトレッドミルメーカー4社を、方式・対応環境・日本でのサポート体制まで比較します。
| 比較項目 | KATVR (KATVR JAPAN) |
Virtuix (米国) |
Cyberith (オーストリア) |
Infinadeck (米国) |
|---|---|---|---|---|
| 代表製品 | C2+ Enhanced C2 Core PRO WALK Mecha |
Omni One Omni One Core |
Virtualizer Elite 2 | Infinadeck Infinadeck Portal (メーカーは2026年半ばの利用料型での提供開始を公表・2026年10月時点) |
| 方式 | 受動式フラット (Mechaは足踏み式) |
受動式ボウル型 | 電動アシスト+低摩擦 | 電動ベルト式 |
| ターゲット | B2C + B2B (個人〜法人まで対応) |
個人向けが主力 (施設・法人向けもあり) |
法人向け (研究・訓練・施設) |
法人向け (防衛・産業) |
| 対応VRヘッドセット | SteamVR全般 Meta Quest 2/3/Pro PICO, PSVR2対応 |
Omni One: Meta Quest 2/3 Core: SteamVR対応 |
SteamVR対応 | SteamVR対応 |
| SDK提供 | Unity / Unreal Engine (無償提供) |
法人向けモデルで提供 | 研究用SDK提供 | Unreal Engine 5 / Unity (メーカー公表) |
| 日本総代理店 | KATVR JAPAN (2019年〜) |
確認できず | 確認できず | 確認できず |
| 日本語サポート | 対応 技術サポート・修理対応 |
日本語窓口は 確認できず |
日本語窓口は 確認できず |
日本語窓口は 確認できず |
| 保守・修理 | 国内対応 交換部品手配・保守契約 |
海外メーカーと 直接やり取り |
海外メーカーと 直接やり取り |
海外メーカーと 直接やり取り |
| 補助金・科研費対応 | 対応 見積書・検収払い対応 |
国内の窓口は 確認できず |
国内の窓口は 確認できず |
国内の窓口は 確認できず |
| 技適認証(日本) | 取得済み | 未取得 | 未取得 | 未取得 |
| 導入実績 | 国内150以上 (大学・企業・施設) |
米国中心 (旧機種は2017年に国内販売あり) |
欧米・アジア (日本にも顧客あり) |
米空軍・米海軍との 契約記録あり(米政府の公開データ) |
※ 他社の情報は、各社の公式サイト・公表資料をもとにした当社の調べです(2026年10月時点)。「確認できず」は、当社の調査で見つからなかったことを示します。
※ 他社の技適欄は、総務省の検索で代表製品の登録が見つからなかったものです(2026年10月時点)。
※ 他社製品は個人輸入で購入できる場合がありますが、技適認証未取得の場合は日本国内での無線機能の使用に法的制約があります。また、故障時の修理対応・部品調達は自己責任となります。
KATVRが日本で選ばれる理由
日本総代理店による国内サポート体制
2018年からKAT VR製品を取り扱い、2019年に日本総代理店契約を締結。日本語での技術相談・見積もり・保守対応が可能。個人輸入では得られない安心感と法的適合性を提供します。
補助金・科研費での購入に対応
ものづくり補助金・科研費などでの購入に対応(IT導入補助金は対象外)。見積書・納品書・請求書の指定フォーマット発行、検収払い(後払い)にも対応しています。
国内150以上の法人・機関での導入実績
大学研究室・企業・アーケード施設・イベント会場など、幅広い用途で導入実績があります。海外の大学・研究機関でも採用されています。
用途に応じた5製品ラインナップ
エントリー向けのlocoSからフラッグシップのPRO WALK Mechaまで、個人の趣味から法人の研究開発まで最適な製品を選べます。
KATVR 製品 詳細比較
KATVRは用途・予算に応じて5つの製品を展開しています。それぞれの特徴と違いを詳しく比較します。
機種ごとの歩き方の違いを動画で
C2 Core・mini S・PRO WALK Mecha・locoS の歩き方を、同じ画面で見比べられます。
再生すると YouTube の動画を読み込みます。YouTube で開く
| 比較項目 | KAT PRO WALK Mecha |
KAT Walk C2+ Enhanced |
KAT Walk C2 Core |
KAT Walk mini S |
KAT locoS |
|---|---|---|---|---|---|
| 位置付け | フラッグシップ 商用最上位 |
ハイエンド B2B・B2C共通 |
スタンダード コスパ重視 |
小型モデル 法人専用 |
エントリー 足装着型 |
| 方式 | 自然な足踏み (学習不要) |
受動式スライディング | 受動式スライディング | 受動式スライディング | 足装着センサー (プラットフォーム不要) |
| 主な対象 | 法人・研究機関 アーケード施設 |
法人サブ推奨 ハイエンド個人 |
個人ゲーマー 予算重視の法人 |
法人・研究機関 | 個人ゲーマー |
| ハーネス | フルサポート (体を支える) |
オープンフロント (しゃがみ・着座可) |
オープンフロント | フリーサイズ設計 | なし |
| シューズ | 靴の上から装着 (オーバーシューズ) |
専用シューズ (履き替え必要) |
専用シューズ | 靴の上から装着 (オーバーシューズ) |
センサー装着のみ |
| 対応VR HMD | SteamVR全般 Meta Quest PICO |
SteamVR全般 Meta Quest PICO / PSVR2 |
SteamVR全般 Meta Quest PICO / PSVR2 |
SteamVR全般 Meta Quest |
SteamVR全般 Meta Quest |
| SDK | Unity / Unreal (無償提供) |
Unity / Unreal (無償提供) |
Unity / Unreal (無償提供) |
Unity / Unreal (無償提供) |
Unity / Unreal (無償提供) |
| 商用利用 | 最適 (不特定多数対応設計) |
可能 (履き替え運用が必要) |
可能 (履き替え運用が必要) |
最適 (オーバーシューズ) |
不向き |
| 研究利用 | 最適 (歩行データ高精度取得) |
最適 (触覚フィードバック搭載) |
可能 | 可能 | 限定的 |
| イベント・レンタル | 最適 (設営サポート付き) |
可能 | 可能 | 最適 (コンパクト) |
不向き |
| 補助金対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 価格・詳細 | 製品ページ | 製品ページ | 製品ページ | 製品ページ | 製品ページ |
用途別おすすめ製品
「どの製品を選べばいいかわからない」方へ。用途と目的に応じた最適な製品をご案内します。
大学・研究機関での研究
歩行バイオメカニクス・VR酔い研究・歩行分析研究などの学術用途。SDK連携で歩行データを取得可能。
アーケード・商業施設
不特定多数の利用者が入れ替わりで体験する施設。耐久性・オーバーシューズ対応・設営サポートが重要。
企業研修・現場シミュレーション
建設現場・工場・災害時の避難経路など、実際に行くのが難しい場所をVRで再現し、自分の足で歩いて確かめられます。何度でも繰り返せます。
個人のVRゲーム
自宅でVRゲームを「歩いてプレイ」したいゲーマー向け。対応ゲームの幅広さと価格が選定基準。
イベント・展示会
展示ブースでのVR体験提供。短期レンタル・設営サポートが可能。
VRトレッドミルに関するよくある質問
完全にゼロになるわけではありません。コントローラーのスティック移動では「視覚は動いているのに身体は止まっている」という感覚のズレがVR酔いの原因とされますが、VRトレッドミルでは自分の足で歩くため、このズレが生じにくい設計です。ただし感じ方には個人差があります。
KAT Walk C2シリーズ・KAT PRO WALK Mechaなどのプラットフォーム型は、全機種共通で1台あたり2.0m×2.0m以上のスペース(体験する方の動く範囲を含む)を推奨しています。天井高は一般的な教室の高さでご利用いただけます(天井が低いお部屋の場合は個別にご相談ください)。KAT locoSはプラットフォーム不要なので、VRヘッドセットのプレイスペースがあれば使用可能です。
KATVR JAPANで取り扱う製品は、ものづくり補助金・科研費など各種公的資金での購入に対応しています。見積書・納品書・請求書の指定フォーマット発行や、検収払い(納品後後払い)にも対応しています。他社製品を個人輸入する場合、こうした書類発行や支払い方法に国内で対応できる窓口は、当社の調べでは確認できていません。
物理的には可能ですが、注意点があります。日本の技適認証を取得していない製品の場合、無線機能の使用に法的制約が生じます。また、故障時の修理・部品調達は海外メーカーと直接やり取りすることになり、日本語の窓口は当社の調べでは確認できていません。法人での導入の場合は、保守体制・法的適合性の観点から正規代理店経由での購入を推奨します。
用途によって異なります。研究用途にはC2+ Enhanced(触覚フィードバック搭載)、アーケード施設にはPRO WALK Mechaまたはmini S(オーバーシューズ対応)、個人ゲーム用途にはC2 Core(コスパ重視)、まずは手軽に試したい方にはlocoSがおすすめです。各製品の価格は製品ページでご確認いただけます。法人の方はお問い合わせいただければ、用途に応じた最適な製品をご提案します。
SteamVR対応のVRゲームで「ジョイスティック移動」が実装されているタイトルであれば、基本的にすべて対応可能です。Half-Life: Alyx、Skyrim VR、Fallout 4 VRなどの人気タイトルでも歩行プレイが楽しめます。対応ゲームは対応ゲームのページでご確認いただけます。
最適なVRトレッドミルをご提案します
用途・予算・設置環境に応じて、最適な製品と導入プランをご案内。まずはお気軽にご相談ください。