研究・開発
導入企業・学校(一部掲載)
研究・開発でKATVRをご利用いただいております使用例をご紹介致します。
二段階横断歩道
VR技術を活用して、現実世界の二段階横断歩道を仮想空間内に再現しました。この環境では、実際に歩行することにより、二段階横断の効果と有用性を直接評価することが可能です。この手法により、現実世界の交通状況をVR内で忠実に模倣し、歩行者の安全と利便性を向上させるための具体的な解決策を検証しました。
(協力:静岡理工科大学様)
多摩大では、KATWALKとVRを毎週水曜に体験できます✨
— 多摩大学 (@nyushitama) April 28, 2024
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メタバース活用
コロナ禍で始まった大学のメタバース内覧は、受験生と在学生のリアルタイムな交流を可能にし、遠方の受験生の参加もしやすくなった。ポストコロナでは対面とオンラインのハイブリッド内覧を継続し、多様なニーズに応える新たな形として注目されている。
(協力:多摩大学様)
その他の想定される活用用途
心理学的アプローチ
現実での再現が難しい特定の状況下での人間の心理を理解するため、仮想空間を活用します。この仮想環境では、実際に存在するようなシチュエーションを詳細に模倣し、歩行を伴うリアルな没入体験を提供します。このような体験を通じて、人々がそのような状況下でどのように感じ、反応するかを分析します。これにより、現実に準備するのが困難なシチュエーションにおける人間の心理をより深く調査することが可能になります。
防災訓練、安全教育の基礎研究
歩行型VR技術を活用して、防災訓練や安全教育に関する基礎研究を行います。この方法により、参加者はより深い没入感を体験し、リアルな環境下での反応や行動をシミュレートできます。この没入感は、訓練や教育の効果を高めると考えられています。VRを使った研究を通じて、防災訓練や安全教育の方法がどのように実際の危険状況への対応能力を向上させるかを分析し、その効果を検証します。
環境建築デザイン
BIMやSIMなどの建築関連3Dデータ技術をさらに進化させ、建築プロジェクトの初期段階における重要な側面を探求します。具体的には、建物の外観や内部の雰囲気、さらには設置される部材の間隔などを、実際に歩きながら体感するような方法で検証することです。このアプローチにより、設計段階での詳細なチェックと調整が可能となります。また、公園や都市のような広範な環境デザインにおいても、この技術を活用します。事前に仮想空間でのシミュレーションを行うことで、潜在的な問題点を特定し、より洗練されたデザインに繋げることができます。これらの取り組みは、建築と環境デザインの未来を形作る重要なステップとなるでしょう。
運動・リハビリテーション分野
VR技術を用いたリハビリテーションが患者の回復過程にどのような影響を及ぼすかを、詳細に調査し分析します。特に、VRトレッドミルを活用した新しいリハビリテーション手法の開発に焦点を当てます。このアプローチは、患者が仮想環境の中で歩行を行うことで、身体的な回復だけでなく、精神的なモチベーションの向上も図ることができます。このような没入型のリハビリテーションは、従来の方法と比較して、より効果的な回復を促す可能性があります。
KATWALK を活用した研究
VR トレッドミル「KATWALK」は、世界中の研究者に活用されています。以下に、KATWALK を使用した近年の研究実績のいくつかをご紹介します。
1. 防災:津波避難行動分析とVRトレッドミルの有効性
研究概要: KATWALKを用いて津波避難行動を分析し、実際の人間の避難行動により近い自然な動作の再現を実現。特に、視線と移動方向を独立して操作できる特徴により、前進しながら周囲を確認するなど、現実の避難行動に即した動作が可能となり、より正確な避難行動分析を実現できることを確認した。
研究成果:
- 視線と移動方向の独立した操作により、実際の人間の自然な避難行動をより正確に再現
- 歩行中でも周囲の状況(バルーン型避難標識等)を容易に確認可能な、現実に即した視認性を実現
- 避難完了率においてハンドコントローラと同等以上のパフォーマンスを実証
- 徒歩での避難の身体的な体験を通じた防災意識向上への効果を確認
Mikami, Y., Sato, S., Narita, S., Chiba, S., Okamoto, T., & Imamura, F. (2024). "津波避難行動分析における歩行型VR活用の可能性:バルーン型避難標識の誘導効果に着目して" [Tsunami Evacuation Behavior Analysis with Walking Platform in Virtual Reality: Focusing on the Guidance Effect of Balloon Type Evacuation Signs]. 地域安全学会論文集 [Journal of Social Safety Science], No. 45, pp. 83-93.
2. 視覚に障がいのある子どもたちの支援:オリエンテーションとモビリティトレーニング
研究概要: KATWALK を用いて、視覚に障がいのある子どもたちが安全に白杖の使用と単独歩行能力を習得できる 音響によるVR トレーニングシステムを開発。
研究成果: 視覚に障がいのある子どもたちの不安を軽減し、効果的なトレーニングを少人数で提供可能に。
Seki, R., Shimomura, Y., Asakawa, N., & Wada, H. (2023). "Development of Orientation and Mobility Training System for Visually Impaired Children Using VR." Studies in Health Technology and Informatics, 306, 527-534. https://doi.org/10.3233/SHTI230673
3. 都市計画:リアルタイム歩行者流シミュレーション
研究概要: KATWALK を活用し、VR 空間内で実際の歩行者と NPC が共存する高速レンダリングシステムを開発。
研究成果: 人流モデルと NPC の 3D モーション計算を効率化し、リアルタイムシミュレーションを実現。
Sakurai, A., Ikegami, Y., & Yamamoto, K. (2023). "VR Pedestrian Flow Simulator by Real-time 3D Motion Reconstruction for Multiple Characters." In M. Okada (Ed.), Advances in Mechanism and Machine Science. IFToMM WC 2023. Springer, Cham. https://doi.org/10.1007/978-3-031-45770-8_27
4. 訓練:意思決定パフォーマンス向上
研究概要: KATWALK と触覚フィードバックを統合した VR フレームワークが、複雑な探索・射撃シミュレーションにおける意思決定に与える影響を評価。
研究成果: プレゼンス、没入感、エンゲージメントの向上を確認。
Rao, A. K., Bhavsar, A., Roy Chowdhury, S., Chandra, S., Negi, R., Duraisamy, P., & Dutt, V. (2024). "Evaluating the efficacy of a haptic feedback, 360° treadmill-integrated virtual reality framework and longitudinal training on decision-making performance in a complex search-and-shoot simulation." In Artificial Intelligence and Machine Learning for Multi-Domain Operations Applications VI. Proc. SPIE 13051. https://doi.org/10.1117/12.3017333
5. 災害対策:避難行動モデリング
研究概要: KATWALK を使用して VR 環境での避難行動を分析し、明確性-強度モデルを構築。
研究成果: 実際の火災事例と一致する結果を得て、災害時の人間行動理解に貢献。
Deng, K., Xing, S., Wang, G., Hu, X., & Chen, T. (2023). "A clarity-intensity model for evacuation behaviour: A VR study and comparison with a real-world case." Journal of Environmental Psychology, 88, 102034. https://doi.org/10.1016/j.jenvp.2023.102034
6. 高齢者支援:空間認識能力向上
研究概要: KATWALK を利用して高齢者向けのバイクベース VR ロコモーション「SilverCycling」を開発。
研究成果: 高齢者の空間認識能力向上と VR アクセシビリティ改善の可能性を確認。
Chen, Q., Wu, Z., Liu, Y., Han, L., Li, Z., Kan, G. L., & Fan, M. (2024). "SilverCycling: Exploring the Impact of Bike-Based Locomotion on Spatial Orientation for Older Adults in VR." arXiv:2407.06846 [cs.HC]. https://doi.org/10.48550/arXiv.2407.06846
7. ロボット工学:社会的行動モデリング
研究概要: KATWALK を用いた VR 環境で、公共の場での他者との接近と回避行動をモデル化。
研究成果: コミュニケーションロボットの社会的行動設計への応用可能性を示唆。
Sakamoto, T., & Takeuchi, Y. (2022). "Modeling Approach and Avoidance Behavior with Social Considerations for Others in Public Situations." In M. Kurosu (Ed.), Human-Computer Interaction. Technological Innovation. HCII 2022. Lecture Notes in Computer Science, vol 13303. Springer, Cham. https://doi.org/10.1007/978-3-031-05409-9_44
KATWALK は、教育、都市計画、訓練、災害対策、高齢者支援、ロボット工学など、幅広い分野で活用されることが期待されています。
KATWALK開発環境
- ソフトウェア:
KATWALKシリーズの機器本体と、STEAMVR等のVR環境の間を取り持つのがKAT INDUSTRYというソフトウェアになります。
・アプリケーションで調整する以外にこのソフトウェアでも、歩行速度、反応感度の調整が可能です。
・SDKを用いて開発されたソフトウェアの、KATWALKシリーズ用のランタイムとしての機能をもっています。
・VRHMD付属のコントローラーの移動に使用するキーを、このソフトウェアに登録することで、疑似的に特別な開発の必要なく歩行体験が可能です。
(ジョイスティックの倒し具合による加速度の増加なども再現されますが、アプリケーションに適した加速の具合や繊細な速度の調整といった細かな調整をしたい場合は、SDKの御利用をお薦め致します。)
・制作したアプリケーションのランチャー機能登録
アプリごとに、移動速度、感度の設定などを保存できます。
バージョンにより、センサーで取得された足の動きに対する反応に差異があります。
多くの場合は最新版をお薦め致しますが、状況により過去のバージョンもご利用頂けます。
※過去のインダストリー、SDK用に開発したソフトウェアも、最新の3.1.3で動作する仕組みになっていますので、SDKの入れ直しなどなく後からの変更が可能です。
- KAT INDUSTRY 2.0.8
- センサーが歩行と判断する範囲が広い為、初めて体験する方が多い場面での利用、展示会での使用に適している
- 振動機能を利用可能(他のバージョンでは現在対応作業中です)
- KAT INDUSTRY 3.0.2 / 3.1.2
- より精密な歩行検知(急な停止や細かい歩行に対応)
- 歩き方にコツが必要(プレート外周のセンサー内での歩行が重要)
- KAT INDUSTRY 3.1.3(検証用β版。3.1.4が正式版リリース予定)
3.0.2、3.1.2の特徴に加えて、
- Androidスタンドアロンデバイス(Meta Quest、pico、yvrなど)に対応
- KATWALKと上記デバイスを繋ぐ手段として現在NEXUS アダプターが必要
-過去のバージョン用に作られたSDKを使用したアプリが動作
- SDK:
各バージョンのINDUSTRY用のUNITY用とUE用のSDKの準備がございます。
ダウンロード用リンクはお問い合わせください。
(日本語での説明が不要な場合は、KATVR本社の公式サイトより
ダウンロードすることも可能です。)
- システム要件:
- Windows 10 または Windows 11
- PCVRにおいてはSTEAMVRに準拠した環境
- SDKの内容
- SDKにはデモシーンとドキュメントが含まれています。
デモシーンを参考に、KATVRの用意したスクリプトの使い方を学習できる内容となっています。
- 主にOpenXRでの使用
(古いSDKではSTEAMPluginのものがあります)
- 歩行検知の調整が可能(感度、移動速度など)
※SDK取得時のご注意
最新のUNITY 版1.9.2 UE版 1.3.2は対応するINDUSTRY3.1.6が正式公開前のため、KATGATEWAY2.2.6のみが現在使える環境となります。
(対象機種はKATWALK C2,KAT Loco Sなどの家庭向け機種になります。)
- 注意事項:
- INDUSTRYの導入時、アンチウイルスソフトによっては、ソフトウェアが誤検知される場合がございます。
- 対処法: インストールプログラムをホワイトリストに追加するか、Windows Defenderの使用をお薦め致します。
- 管理者権限でのインストールをお願い致します。
- 追加機能:
- INDUSTRY 3.1.2以降: 「ダッシュ」「ジャンプ」機能追加
- デバイスシミュレーター: INDUSTRY 3.0.2用の仮想シミュレーターが利用可能(KATデバイスがない場所での開発用)
- ドキュメントとチュートリアル:
- INDUSTRY 3.1.2用の日本語字幕付きチュートリアルビデオ利用可能
(歩行方法について)
- KATWALKminiSマニュアル.pdf:等にINDUSTRYソフトウェアの説明がございます
- サポート:
- ご質問の際は、使用しているINDUSTRYのバージョン、SDKのバージョン、開発環境(UnityかUE)、使用VR HMD、PCの構成等の情報をお伝えください。
- エラーの内容、状況のわかるスクリーンショットの添付があると大変助かります。
※KATデバイスのプロジェクトへの実装、歩行できることの確認までのご対応になります。
現在のSDKの状況 2024・12・9 追記
KATWALKminiS やKAT PRO WALK MECHAで使うには
INDUSTRY1.3.6以降が必要ですが、まだ正式リリースされておりません。
WALK C2、Loco SではGATEWAY2.6.6でご使用可能です。
KAT Universal SDK V 1.9.2
[はじめに]
Unity用KAT Universal SDKへようこそ。このSDKを使用することで、追加の適応作業なしにすべてのKATデバイスで開発が可能になります。すべてのデバイスは、KATNativeSDKクラスという同一のインターフェースに準拠しています。最も簡単な使用方法として、[KATDemoWalker]プレハブをシーンにドラッグし、UnityでOpenXRサポートを有効にするだけです。高度な開発については、KATNativeSDK.csのコメントにすべてのSDK機能に関する包括的な詳細が記載されています。
[リリースノート]
1.8.9+: アラートウィンドウをGatewayに統合(UIレイアウトの一部に問題あり)
1.8.2: 追加と修正
1.8.1: Android SDKの不具合修正
1.8: AndroidManifest.xmlにkat_sdk_intergrateタグを追加。SDKで開発されたアプリケーションは、このタグの値を"kat_native"に設定する必要があります。
1.7: バイブレーション/LED電力調整とダブルトリガーキャリブレーションデモを追加
1.6.1: KATXRWalkerに強制キャリブレーションを追加。
1.6: Nexusの完全サポートを追加・修正。すべての機能がPCとAndroidの両方で動作。
1.4: PC EditorでのNexusサポートを追加。
1.3: GetSDKInterfaceVersion関数を追加。
1.2.1: UnrealまたはUnity EditorがKAT Gateway、KAT Industry、またはDevice Emulatorフォルダ下のKATNativeSDK.dllファイルをロックする問題を解決。
1.2: KATNativeSDKをKATSDKWrapperに改名。KAT GatewayまたはKAT Industryフォルダ下のライブラリをロードするラッパーとして機能し、SDKバージョンに依存しないように。
1.1: Androidスタンドアロンデバイス(Meta Questシリーズ、Pico、YVRなど)のサポートを追加。デモがAndroidデバイスで動作するように。
[デモ]
デバイス取得デモ: すべてのKATデバイスを照会して、名前、タイプ、シリアル番号を取得する方法を示すデモです。
生データデモ: KATNativeSDKから接続状態、クォータニオンとしての体の回転、Vector3としてのローカル方向を含む速度などの生データを取得する方法を案内するデモです。
歩行デモ: KATトレッドミルデバイスでの歩行方法を実演します。
C2拡張機能と追加データデモ: KAT Walk C2のハプティックエンジンやLEDなどの拡張機能の使用方法と、単一の足の状態や速度などの追加データの提供方法を示します。